AI関連株がアジア・欧州で急落、中国新興AIモデルの躍進で市場動揺

AI関連株がアジア・欧州で急落、中国新興AIモデルの躍進で市場動揺

 27日のアジア市場でナスダック先物が大きく下落し、日本ではハイテク株が売り込まれた。中国のスタートアップ企業ディープシークが低コストの人工知能(AI)モデルを発表したことを受け、AI関連の収益性や先端半導体の需要に対する投資家の信頼が揺らいでいる。

 東京市場では、ソフトバンクグループやエヌビディアのサプライヤーであるアドバンテストが約8.6%下落し、東京エレクトロンも下げた。欧州市場でもその流れが続き、ナスダック100先物は2.6%、S&P500先物は1.4%下落した。フランクフルト市場ではエヌビディアが約7%下落し、テスラ、アマゾン、メタも2%超の下げを記録した。半導体製造装置メーカーのASMLも売られている。

 ディープシークは、低コストの半導体と少量のデータで動作する無料AIモデルを発表。AIが半導体メーカーからデータセンターまでのサプライチェーン全体で需要を生むという市場の期待が揺らぎ始めた。

 ディープシークのアプリは、米国のアップル「アップストア」で無料アプリランキング首位となり、チャットGPTを上回った。開発者によると、1月10日に公開されたディープシークV3の訓練にはエヌビディアのH800チップを使用し、コストは600万ドル以下だったという。

画像: Bloomberg