今月24日に召集される通常国会。少数与党を率いる石破総理にとって厳しい政権運営が続く中、新たに掲げたキーワードが「楽しい日本」です。その狙いとは何でしょうか?
石破総理「我が国は明治維新の中央集権体制のもと、富国強兵を掲げ、強い日本を目指してきました。戦後は復興と高度経済成長を経て、豊かな日本を築きました。強い日本は国家主導、豊かな日本は企業主導でした。これからは国民一人ひとりが主体となる『楽しい日本』を目指すべきだと考えています。」
この「楽しい日本」の発想は、1970年の大阪万博を手掛けた堺屋太一氏の遺作「三度目の日本」に由来します。
石破総理「安心と安全を感じ、未来に希望を持ちながら多様な価値観を尊重する国。それが『楽しい日本』です。誰もが自分の夢を追い、挑戦し、自己実現を目指せる活力ある国家を目指したいと考えています。」
このキーワードを掲げる狙いについて、総理の側近である赤澤経済再生担当大臣はこう語ります。
赤澤亮正 経済再生担当大臣「国民一人ひとりが『日本に生まれてよかった』と思える国を作ること。そして地方でも『楽しいから戻ってこい』と子や孫に言える環境を整えること。総理が目指すのは、若者や女性にも選ばれる地方創生です。」
総理は年頭の記者会見で、東京一極集中の見直しや地方創生への意欲を強調し、令和の新たな国づくりを目指しています。その思いが込められた新年度予算案は、24日に召集される通常国会で審議されます。
石破総理「党派を超えた合意形成には、野党の皆様にも責任を共有していただく必要があります。責任ある議論を尽くし、国民に納得と共感を得られる結果を目指したいと思います。」
過半数割れの少数与党を率いる石破総理は、野党への協力を呼び掛けつつも、けん制する姿勢を見せました。
一方で、企業・団体献金の扱いは3月末までに決着を図る必要があります。また、国民民主党は年収「103万円の壁」のさらなる引き上げを求め、日本維新の会は教育無償化を強く主張しています。この夏の参議院選挙を見据え、通常国会では野党の攻勢が予想され、石破総理にとって厳しい政権運営が続くことは避けられない状況です。