植物由来の抗酸化物質に白髪抑制効果 名古屋大がマウス実験で確認

植物由来の抗酸化物質に白髪抑制効果 名古屋大がマウス実験で確認

 ブロッコリーやセロリに含まれる抗酸化物質「ルテオリン」が白髪の進行を抑える効果を持つことを、名古屋大学などの研究チームがマウスを使った実験で確認した。経口投与や塗布のいずれでも効果があり、将来的には白髪の予防や改善を目的とした薬の開発につながる可能性がある。研究成果は国際学術誌「アンチオキシダンツ」に11日までに掲載された。

 研究チームは、通常のマウスでは老化による白髪の進行が見られないため、ヒトの中年期に相当する生後10カ月で毛の8割が白髪になるよう遺伝子改変したモデルマウスを作成。このマウスに16週間にわたりルテオリンを投与または塗布し、無処置のマウスと比較した。

 実験開始時点では、どのマウスも毛の白髪率が約2割程度だったが、ルテオリンを用いたマウスでは16週間後もほぼ変化がなかった。一方で、無処置のマウスでは白髪率が6~8割に増加していたことが確認された。

 毛包を詳しく調べた結果、無処置マウスでは白髪が増えるにつれて減少していた「エンドセリン」と呼ばれる物質が、ルテオリンを投与されたマウスでは維持されていた。エンドセリンは毛髪の色素を作る細胞を支える役割があり、ルテオリンの抗酸化作用がこの細胞の老化を防いだことで白髪の進行を抑えたと考えられる。

 加藤教授は「動物実験の段階であり、ヒトへの効果はまだ不明」としつつ、ヒトにも同様のメカニズムが存在する可能性を指摘。「バランスの取れた食事を基本に、ルテオリンを含む食材を積極的に摂取することで、白髪抑制に一定の効果が期待できるかもしれない」と語った。