今年の景気予測 78%が「緩やかに拡大」見込む理由とは? 賃上げと個人消費回復に注目

今年の景気予測 78%が「緩やかに拡大」見込む理由とは? 賃上げと個人消費回復に注目

 2025年の日本の経済見通しについて、共同通信社が主要企業114社を対象に実施したアンケート調査の結果がまとまった。調査では、全体の78%に当たる企業が2025年の国内景気について「緩やかに拡大基調になる」と予想しており、前年の73%から増加していることがわかる。これは、多くの企業が個人消費の回復や賃金の上昇を背景に、経済の改善を見込んでいることを反映している。

 特に注目すべきは、景気の拡大を予想した89社がその理由として挙げたのが、「個人消費の回復」が88%、「賃金の上昇」が81%といった要因だ。近年、賃金引き上げの流れが続いており、こうした傾向が経済全体にポジティブな影響をもたらすとの期待感が高まっている。一方で、景気が「横ばい」と予測した企業も16%あり、「緩やかに後退」とした企業は2%にとどまった。後退を予想した企業では、「個人消費の低迷」や「物価上昇」といった課題が主な理由に挙げられている。一部の企業では、依然として物価高が経営に与える影響への懸念が根強いことが明らかになった。

 また、2025年春闘における賃上げについても調査が行われ、「実施する予定」または「前向きに検討している」と回答した企業は全体の46%に相当する53社だった。この結果から、賃金引き上げが経済成長を後押しする一方で、企業側の努力やコスト負担の調整が求められることがうかがえる。

 今回の調査は、去年11月下旬から12月中旬にかけて実施され、各業界を代表する主要企業が対象となった。なお、2025年にはアメリカでトランプ氏が再び大統領に就任する可能性が高まっており、「アメリカ第一主義」の方針が日本企業に与える影響を懸念する声も一部で聞かれた。

 このような結果から、こうした国際情勢の変化が、国内経済や各企業の事業戦略にどのような影響を及ぼすのかも注視する必要がありそうだ。