アップル、Siri利用者の会話を無断録音で集団訴訟に直面 和解金150億円支払いへ

アップル、Siri利用者の会話を無断録音で集団訴訟に直面 和解金150億円支払いへ

 米アップルの音声認識機能「Siri(シリ)」が、利用者の意図に反して会話を録音していたとして、同社に対して集団訴訟が起こされた。この訴訟では、プライバシーの侵害が問題視されており、アップルは最終的に9500万ドル(約150億円)を支払うことで和解する方針を固めた。この和解案は、去年12月31日にカリフォルニア州の連邦地裁に提出された。

 和解金の対象となるのは、2014年9月から去年12月の間に、Siri対応の「iPhone(アイフォーン)」やその他のアップル製デバイスを所有または購入した、米国内に居住する利用者だ。この和解案が地裁で正式に承認されれば、対象者には端末1台あたり最大20ドル(約3100円)が支払われることとなる。

 この問題は6年前の2019年に提起され、原告側の主張によれば、Siriがユーザーの意図しないタイミングで誤作動し、日常の個人的な会話を無断で録音していたという。また、録音された音声データはアップルが委託した業者に送信され、その内容が定期的に分析されていたとも指摘されている。このデータの分析は、Siriの音声認識精度を向上させる目的で行われたとされていますが、アップルが利用者の同意を得ずに行った点が大きな問題となった。

 アップル側は、このデータ収集と分析がSiriの性能向上を目的とした正当な取り組みであり、不正行為ではないと主張している。しかし、利用者のプライバシーが無断で侵害されたという事実をめぐる議論は収まらなかった。その結果、同社は今回の巨額の和解金支払いに応じることで、訴訟を終結させる判断を下した。