昨年6月にロシアと北朝鮮が「包括的戦略パートナーシップ条約」を結んで以来、ウクライナ侵攻でロシア軍が使用する北朝鮮製とみられるミサイルが急増している。読売新聞のデータ分析によると、昨年7月から12月にかけてその数は計74発に達した。この条約では有事の相互支援が定められており、両国が実戦での協力を深めていることがうかがえる。
データは、米戦略国際問題研究所(CSIS)がウクライナ軍の発表をもとに集計したものを基に分析された。昨年1月から6月までの北朝鮮製ミサイル「KN23」やその可能性が高いミサイルは計8発だったが、7月から12月には9倍以上に跳ね上がり、特に8月と9月はそれぞれ24発に上った。ロシア軍が発射したミサイル全体に占める北朝鮮製の割合も、1~6月の0.7%から7~12月には6.7%へと大きく増えた。防衛研究所の兵頭慎治氏は「条約で軍事技術協力が公式化されたことで、ロシアが北朝鮮製ミサイルを本格的に使い始めた可能性がある。今後も依存度を高めるだろう」と指摘する。
この露朝条約は昨年12月に発効し、実質的な軍事同盟へと発展した。ロイター通信によると、ウクライナ軍関係者は昨年12月から性能が向上した北朝鮮製ミサイルが使用され始めたと述べている。ウクライナ国防省は、北朝鮮が年内にロシアへKN23を150発供給するとの見方を示しており、両国の協力がさらに進むことがうかがえる。
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