ウクライナ和平交渉から欧州排除?米特使発言に欧州が反発

ウクライナ和平交渉から欧州排除?米特使発言に欧州が反発

 トランプ米政権のウクライナ担当特使ケロッグ氏は15日、欧州諸国がウクライナ和平交渉に参加しないと発言した。ドイツで開催されたミュンヘン安全保障会議で語った。ケロッグ氏は、ウクライナとロシアの協議で米国が仲介役を果たすと述べた。欧州諸国が交渉に参加するかとの質問に「私は現実主義者だ。無理だと思う」と答えた。

 同氏はその後のイベントで「欧州の利益が無視されるわけではない」と補足したが、欧州諸国は和平交渉から除外されることを受け入れられないと反発している。フィンランドのストゥブ大統領はミュンヘンで「ウクライナや欧州の安全保障について、欧州抜きで議論することはできない」と述べ、「欧州は行動を共にする必要がある」と強調。

 欧州の外交官によると、米国は事前に欧州諸国に質問状を送り、どの程度の兵力を提供できるか尋ねていたという。フランス大統領府の関係者は15日、この問題について非公式会合を計画していることを明らかにした。

 NATOのルッテ事務総長も欧州の団結を訴えた。ケロッグ氏は、戦争終結に向けた協議でロシアの領土譲歩とプーチンの石油収入への制裁が重要だと示唆。「ロシアは真の石油国家だ」と述べ、西側が制裁を効果的に実施するためのさらなる対策が必要だと主張した。

Source: Reuters